「里山資本主義」 ― 日本経済は「安心の原理」で動く

里山資本主義
――日本経済は「安心の原理」で動く


著者:
藻谷浩介
NHK広島取材班

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

 

カバー表:

新書対症2014年第1位
都市も地域も、
あなたの暮らしも
明るく帰る。


カバー裏:

まったく新しい日本経済再生策!!
課題先進国を救う究極のバックアップシステムを提言する。


事例1:
木屑で発電し、石油・石炭の値段に左右されない
地域経済を営む町がある。


事例2:
超高齢化社会の島で、自分も地域も利益を
あげる方法が生まれた。


事例3:
オーストリア等ではエネルギー革命が起き、
木材が今後の経済を握った。


カバー裏(続き):

課題先進国を救うモデル。
その最先端は“里山”にあった!!

▼ 地域の赤字は「エネルギー」と「モノ」の購入代金
▼ 原価ゼロ円からの経済再生、地域復活ができる
▼ 知られざる超優良国家、オーストリア
▼ ロンドン、イタリアでも進む、木造高層建築
▼ 真の構造改革は「賃上げできるビジネスモデルの確立」だ
▼ 「社会が高齢化するから日本は衰える」は誤っている


カバー裏の折り返し:

マネー資本主義の限界を何となく感じている日本人。

その不安と不満を解消し、新たな豊かさを提供する、
生き方の常識を帰る“里山資本主義”!!


人々の創意工夫と「最先端の技術」が、田舎暮らしを革命的に変え、
日本の田舎暮らしは「都会」と、
そして「世界」ともすぐつながる環境を手にしている。


なにも便利な都会暮らしを捨て、
田舎暮らしをしなさいというのではない。


本書は地方在住者の実践的な手引きとして、
また都市生活者にとっては「生活や価値観を見直し、
自らの生活と、日本の未来を見つめる」ことが出来る一冊である。


以上、カバーなどに書いてある本書の宣伝です。


この本は、新聞の広告などに大きく取り上げられていて、
しかも、藻谷先生の考えに以前から賛同している者として、
是非、読んでみたい本でした。


しかし、この本に関して、アマゾンの書評では、
いわゆる「テキストブック」的な資本主義論を持ち出して、

この本が、まったくローカル産業の事例集で、
「資本主義論」との比較の対象にならないような記述があり、

心配をしながら読み進めましたが、
それは単なる杞憂でした。


それらの批判者のコメントには、
明快な理論はあっても具体的な
実行可能なソリューションがないのです。


この本の内容は具体的で、ソリューション(解決策)主体の
展開ですので、分りやすく非常に参考になります。


また、NHK広島取材班ということで、
中国地方の事例が豊富です。


しかも、本ブログ筆者の故郷の地名が出ますので、
なおさら「ヒイキ」しながら読みました。


地方創生策は現在の安倍晋三内閣でも
大きく取り上げていますが、どうも手法としては、
大型予算でゼネコンなどを使う従来型の手法
(いやこれしか中央政府が

主体的に施策を実行する手段がありません)
を用いて行なうようです。


このような自然破壊型の手法では、
本当の意味での「地方創生」は出来ないと考えます。


この本のように、地方は、中央政府の意向に関わらず、
粛々と地域の改革と活性化を進めていくことと考えますし、
それ以外に地域が存続する手段はないでしょう。


これを後押しするのは、地域に残存する
「地域力(助け合い、きずな)」です。


「箱もの」ではなく「IT技術」の活用で、
いきなり、今すぐ世界を相手にすることも可能です。


従って、都会に住む人間はもちろん「ふるさと回帰」、
本当の意味での「Uターン」や「I(アイ)ターン」が自然発生して、
この「人間の心を抱きしめる大地、
地球」を愛する社会を実現することでしょう。


以下に、「目次」をリストしますので、
この本の概要を掴んでいただければ幸いです。


目次

はじめに  ー 「里山資本主義」のススメ

第一章 世界経済の最先端、中国(地方の)山地 
- 原価ゼロ円からの経済再生、地域復活


第二章 二一世紀先進国はオーストリア 
- ユーロ危機と無縁だった国の秘密


中間総括 「里山資本主義」の極意 
- マネーに依存しないサブシステム


第三章 グローバル経済からの奴隷解放 
- 費用と人手をかけた田舎の商売の成功


第四章 “無縁社会”の克服 
- 福祉先進国も学ぶ“過疎の町”の知恵


第五章 「マッチョな二十世紀」から「しなやかな二十一世紀」へ 
- 課題先進国を救う里山モデル


最終総括 「里山資本主義」で不安・不満・不信に訣別を 
- 日本の本当の危機・少子化への解決策


おわりに - 里山資本主義のさわやかな風が吹き抜ける、2060年の日本


あとがき


以上が、「目次」です。


この本は、創造主(神)が人類に与えた恵み
(宇宙、自然、創造力そして生きる歓び)を、
再び享受する道を拓いてくれるものです。


それが2060年に実現していることでしょう。